7セグメントLEDを2個以上使う回路-2。
今回は、7セグメントLEDを2個以上使う回路の問題点を、改善します。
まず、7セグメント表示器のカソード側の電流が、PICの最大定格を超える件です。
上の回路では、7セグメント表示器のカソード側にトランジスタを入れてスイッチングし、トランジスタをPICの出力ピンで制御します。
上の規格表は、汎用トランジスタで東芝製の2SC1815です、非常に多く使われたトランジスタでしたが、時代の波に押され製造中止になり、現在流通しているのは、NOS(ニューオールドストック、新品だが保管して長く経つ物をいう)か、海外で作られているセカンドソース品(東芝製2SC1815のコピー品)です。
私は自分が使う分は在庫してますので、これを使います。
7セグメント表示器のカソード側の電流は56mAで、コレクタ電流は150mAまでOKですから、十分余裕があり、電圧や損失にも十分余裕があります。
上の回路で、2SC1815のベースとPICの出力ピンに入っている抵抗は、電流制限抵抗です、ベースとエミッタ間の電圧降下は1v位ですから、PICの出力ピンの5vとは4vの差がありこれを電流制限抵抗で降下させねばなりません。
4vの電圧降下を1kΩで得ると流す電流は4mAです、2SC1815はGRタイプを持っておりhFEは200から400ありますので、コレクタ側ではベース電流4mAの200倍の電流(800mA)まで制御できますが、コレクタ電流が飽和しますし、コレクタ電流は150mAが最大定格ですから、そんなに流せません、要は7セグメント表示器のカソード側からは56mAしか流れてきませんから十分です、また、ベースに流す電流は4mAで、PIC出力ピンは、25mAまで取り出せますから、こちらも十分余裕があります。
トランジスタのベース~エミッタ間に10kΩの抵抗が入っていますが、この抵抗をプルダウン抵抗といい、PICの出力ピンがハイインピーダンスになった場合に、この抵抗を通してベースをアース電位にし、トランジスタを確実にOFFに保ちます。
(PICの出力ピンがHからLまたはL~Hに代わる時および入力に設定された時は、出力FETが両方OFFになり、出力ピンに電圧がかからない状態になる、この状態をハイインピーダンス状態と言い、ノイズ等に非常に敏感になり誤動作の原因になるので、プルダウン抵抗を入れて、インピーダンスを下げます。)
これで、7セグメント表示器のカソード側の問題は解決しました。
今回は、ここまで、次回は、PICから7セグメント表示器のアノード側に流れる電流がPICの定格まで余裕が少ない問題を考えます。